古堤街道は古来、大阪と奈良を結ぶ主要な街道筋として利用されてきました。交通機関の発達や近年の宅地開発でその道筋は一変し、人々の記憶から消え去ろうとしているのかもしれません。
ストリートビュー - Googleマップ
生駒山麓公園の北側は生駒市と四条畷市の境界線(同時に府県境となる)
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峠地蔵は微妙な位置に立っていた
生駒山麓公園の北西にある動々(どど)池の辺に巨木の丘なる場所があります。公園内の散策路を抜けて外周路に案内板が立っていますが、それらしき巨木は見当たりません。その巨木の丘の北側の高台に行ってみると、、、
峠地蔵 かつてここは峠だった?
外周路から細い道をたどった高台の上にあるので、見つけるのに一苦労かもしれません。ここは、かつての街道筋の峠付近で現在でも四条畷市と生駒市の境界線が近いところ。即ち、府県境に相当します。
石龕内にお祀りされた地蔵さん
生駒の古道(生駒民俗会)の書籍で紹介された峠地蔵ですが、詳細は全く不明なお地蔵さんです。お地蔵さんを囲う平たい岩を組み合わせた石龕も素晴らしいですし、何より穏やかで柔らかい感じが全体から感じられて見入ってしまいます。左手に宝珠、右手に錫杖を持ち船形光背に肉厚の半肉彫り、蓮台に至るまで細かい装飾が見られます。
静かに目を閉じた表情(?) 味わい深いお地蔵さんです。
供花やペットボトルのお水など、周囲の様子から今も深い信仰を集める峠地蔵。朝日地蔵さんより古い時代の造立なのかと推察していますが、いつもの文献資料にも取り上げられていない様子。峠地蔵の位置は四条畷市と生駒市の境界線が近い。もしかしたら、ここは四条畷市なのか?それとも、調査員の方々が四条畷市と勘違いしたのか、そもそも忘れられた存在なのでしょうか?
いずれにしても、微妙な立ち位置であることに変わりはなく、今後もひっそりと佇んでおられることでしょう。
参考文献
生駒の古道-生駒市古道調査-(生駒民俗会、平成二十六年)
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