峰の薬師「うつぶせ地蔵」(十三仏種字板碑)

うつぶせ地蔵
十三仏種子板碑
旧鶴林寺跡地の八代龍王の滝付近から暗峠へ通じる古道があり、現在のように車道が整備される以前は、宝山寺参詣道の一つとして多くの旅人が利用していました。

 

うつぶせ地蔵
八代龍王の滝(滝行場)
静寂に包まれた本堂跡地から崩れた石段を下ると、「八代龍王の滝」と呼ばれる滝行場。2013年初訪問と比べると、滝前にせせらぎが戻ってきたように感じます。また、旧道を整備される方々のご尽力により、随分と歩きやすくなっています。(2019.11現在)

 

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通称「うつぶせ地蔵」その実体は如何に?

「これが道か?」という細道を進むとやがて、タイムスリップしたかのように。。。
うつぶせ地蔵
十三仏種子板碑
どう見てもお地蔵さんに見えませんが、さりとてこれが何かもわからない。昔の人はなんでもかんでも「地蔵」と呼んでしまいます。もっとも、すべての石造遺物で正しく言い当てることは難しい。板碑や道標まで「地蔵」で済ましてしまう気持ちも理解できます。

十三仏板碑とは供養碑の一種です。初七日から三十三回忌まで、十三回の供養を生前に供養する仏教行事であり、「逆修(げきしゅ)供養」と呼ばれています。自分の死後に十三回の供養を数十年もかけて確実に行われるでしょうか。その保証が心もとない人は、生前に供養しておこうと考えるのは当然です。今の時代こそ逆修供養が必要だと思うのですがいかがでしょう?死んでまで残された者に負担をかけたくありません。

うつぶせ地蔵
十三仏種子板碑
うつぶせ地蔵と呼ばれる理由は、山型部分がちょっと傾いた造りになっているからでしょうか。十三仏の供養碑には各尊を種子(梵字)で表すものと、像容で表現するものと二通りあります。うつぶせ地蔵は種子で表す山型板碑で古い形式です。文献によると生駒市内には二十一基の十三仏が確認されており、その中でも永正七年の紀年銘を刻している「うつぶせ地蔵」は、生駒市内最古の十三仏供養碑とのことです。

うつぶせ地蔵
暗峠宝山寺参道
うつぶせ地蔵さんへの道は廃道となった古道の途中にあります。入口付近が不明瞭ですがなんとかたどり着けるでしょう。その先に興味がある方は次のブログを見て自己の責任においてチャレンジなさってください。

 

ついに全通した生駒の古道「暗峠宝山寺道」残念木を一刀両断! | YAMAP / ヤマップ
  • 撮影日[2013.09.18/2019.11.13 復刻]


  • 参考文献
    生駒市石造遺物調査報告書(生駒市教育委員会 平成8年)

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