生駒郡平群町吉新とは旧字の吉田邑と新家邑が明治八年に合村してできたところです。そんな古くて新しい地名が今も残っているのが平群町で、たくさんの石造物に出会える場所なのです。
ストリートビュー - Googleマップ
近鉄生駒線の線路沿いにある地蔵祠
スポンサーリンク
吉新の地名は今も残る
吉新
古い地名が残っていても何ら不思議ではないのに、道路標識に「吉新」と表記されているのを見てホッとしました。古いものがドンドンなくなっていく今日この頃、古い資料を片手に古い遺品を探しに出かけると、つい疑い深くなってしまいます。
線路脇の地蔵祠 平群駅から南に歩く。場所は旧吉田邑の東端にあたる。
簡素な造りの屋形ですが、綺麗に清掃されお花や水がきちんと供えられている様子です。資料文献によると、「近くで出土した」とだけ記されており、詳しいことはわかりません。近鉄の線路工事の際の出来事でしょうか。いずれも40cm前後の小石仏ですが、これからも大切にされることを願うばかりです。
吉新・辻の地蔵堂 新しい住宅が立ち、ちょっと窮屈な地蔵堂
辻の地蔵堂は立派な瓦屋根にコンクリートの土台がしっかりしています。住宅開発の際に、地蔵堂が建て替えられたのでしょうか。しかし、「よくぞ残った」というのが第一印象です。地蔵前のスペースが駐車場と勘違いされなければいいのですが。
二体の石仏 すっぽりと白い涎掛けで全く像容がわかりません。
格子戸も締まっているので、外から眺めるだけなのがもどかしいです。文献によると右は山型三体仏板碑で辛うじて山型が確認できる程度、左は船型阿弥陀立像で後背が欠損しています。右にちょっと傾いた感じが何となくわかりました。風化が進んでいるので、全体像を見ないと地蔵石仏と区別がつきません。
さて、平群町は石仏の宝庫。これからどんな出会いが待っているのでしょう。楽しみですね。
参考文献
奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
0 件のコメント :
コメントを投稿