藤出山・長楽寺は、ご本尊を聖観音立像とし、用明天皇二年(586)に聖徳太子により建立されたと伝わる平群町屈指の名刹です。尊像は藤出山観音と号します。
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由緒あるお寺ながら、こじんまりとした場所にあります。
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聖徳太子がお座りになった石
長楽寺の山門
境内に入るとお目当ての「鑑石(カンガミイシ)」をさっそく探し回りました。そう広くない境内なのですが、しばらくキョロキョロして山門をくぐって直ぐの左手にあるのをやっと見つけました。
鑑石(カンガミイシ) 周囲を石柱が取り囲む
周囲を石柱で取り囲む中に丸い石版のようなものが置かれていました。これが「鑑石」です。資料文献によると「聖徳太子が物部守屋討伐の時座ったという伝説の石で、元は(ここから)東200m、幼稚園の辻にあったというものである」と紹介されています。
ちょっと上から 鑑石が半分しか写ってなくてすみません
「座った」を「腰を掛けた」と思い込んでいました。したがって、もう少し厚みのあるモノを想像していたのです。考えれば椅子に座る習慣なんて最近の話で、床の上に足を組んで座ったのですね。鑑石が敷物のように薄い理由に納得できます。
鑑石(石碑) 大正十二年七月建之
どちらかと言うと石碑の方に興味がありました。この石碑は長楽寺に鑑石が運び込まれたときに造られたものでしょうか。そうすると、お寺の創建年から考えると、ごく最近まで由緒ある鑑石が路傍の辻にあったということですね。伝説とともに大事にされてきた石であることが理解できます。
参考文献
奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
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