毎年2月11日は「建国記念の日」として祭日を祝うことになっています。今年(2017)は土曜日に当たっていために、ちっとも嬉しくありませんでした。そもそも、「建国記念の日」と言いながら、「誰が、いつ、どこで、どのようにして」日本という国を建国したのかを知りません。というか、ガッコで教えていますか?黒塗りの街宣車が、軍歌を鳴らしながら通り過ぎていくイメージが強い。
饒速日命墳墓 |
そもそも、アメリカのように建国のプロセスが公文書で残されているような若い国と違って、イエス・キリスト生誕より600年以上前から存在する国に、「建国記念日」というのは場違いな気がします。あまり、詳しく言及すると「ウ〇ク」というレッテルを貼られそうなので、これ以上はやめておきます。しかし、生駒山系は日本という国の成り立ちに大きく関わった土地柄であることは間違いありません。
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神話伝承地、桧窪山(生駒市上町)
桧窪山(富雄川から眺める) |
矢田丘陵の最北端は東を生駒市南田原町、西側を上町に分かれており、境界線には竹串を赤く染めた「ほうじさし」が一定間隔で打ち込んであります。四條畷市の郷土史カルタに次のような一句がありました。
「ほうじさし 竹くいでたしかめる 村さかい」
句碑所在地(田原中学校西側裏門の山)
「ほうじさし」の行事は旧田原村の文化・伝統として、生駒市と四條畷市に分かれてしまった現代にも伝わっているようです。
ほうじさし |
「ニギハヤヒのお墓」と書かれた道案内と「ほうじさし」に導かれて北上していくと、小石を積み上げた塚の前に「饒速日命墳墓」と刻まれた立派な石碑が立っていました。塚はかつてモンゴルで見た「オボー」を思い出しました。桧窪山と呼ばれる後方の山頂に、紅白の大型鉄塔が立ち、遠くからでもよく目立っています。
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饒速日命墳墓(シータで撮影) |
伝承によると「ニギハヤヒは死後に、妻の夢に現れ『遺体の変わりに弓矢を埋め墓とせよ』と告げた」とされています。目の前にある塚にその弓矢が埋められているのでしょうか。お墓の前の献台には綺麗なお花と、なぜか大きなキノコが供えてありました。考えてみれば、今日は建国記念日です。軍歌も日の丸もなくひっそりとしていました。ニギハヤヒさんが、あの世で苦笑いされていることでしょう。
参考文献
生駒の古道-生駒市古道調査-(生駒民俗会、平成二十六年)
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