奈良の平城京に都があった頃、大和川右岸の龍田越、亀瀬越は大阪と奈良を結ぶ主要なルートでした。その後も交通の要衝として、多くの旅人が行き交いました。しかし、交通網の発達した現在はひっそりとしています。
峠八幡神社の道標 |
神社の参道石段横にある延命地蔵尊が今回のお目当て。お堂の横には「松谷御堂 是ヨリ六丁」と刻まれた道標が立ち、江戸期の隆盛を今日に伝えています。
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半跏趺坐の地蔵菩薩坐像
峠八幡神社本殿檜皮葺 |
参道石段脇に設置された柏原市教育委員会の説明板によると、神社前の道が江戸時代の亀瀬越奈良街道であると書かれていました。
延命地蔵尊(畑地蔵尊) |
興味深いのは柘榴の木の下に立つ地蔵堂(辻堂)です。格子戸ががっちり施錠されているものの、中のお地蔵さんに御簾や涎かけはありません。嬉しいことにほぼ全容を拝見できました。
地蔵菩薩坐像 |
左手に宝珠を持ち、半跏趺坐された地蔵菩薩はとても珍しい。説明板によると鎌倉時代末期~室町期の造立と考えられているようです。(紀年銘は刻されていないとのこと)
地蔵菩薩坐像 |
度重なる地すべりの難にも関わらず、保存状態がきわめて良いのは驚きです。「延命」のご利益ありとして、広く信仰を集める所以でしょう。キュッと引き締まった優しい口元(若干、槍頤かな)、逆八の字に切りあがった眉毛、自信に溢れた余裕の表情のように見えることから、どんな願い事でも叶うような気がしてきました。
参考文献
柏原市教育委員会説明板(2008年)
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