岩井の辻を東へと登っていくと、石垣の上に立つ念仏寺が見えてきます。駐車場の北端に石造遺物がならべてありました。
念仏寺の石造遺物 |
左後ろに船型名号碑(紀年なし)、前列二番目に名号碑(天保十四年)、中央に船型地蔵立像(安永五年)が並んでいます。いずれも江戸期に造立されたものです。
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地名の由来となった井戸に磨崖仏
船形地蔵板碑(地蔵尊像の一部) |
上記石仏は資料によると、この地で最も古いものとされ、岩井における念仏衆の創始当時のものと記されています。頭部と光背上部にみが残されているようです。
岩井の井戸 |
一軒のお家の前に、「岩井」という地名の起こりとされる井戸がありました。傍らに説明板のような立札もありましたが、色が褪せて全く読み取り不能です。
岩井の井戸の磨崖仏 |
また資料によると岩の間から清水が湧出しているとありますが、安全のためかトタンを掛けてあります。幸いにして、種子と如来像を磨崖している石仏を拝見することはできました。距形にくり抜かれた部分の二尊が最初に刻まれ、その後右側に如来像一体が追加されたと考えれています。また、二尊の間に「天正九年」の銘を確認できました。
山型二尊仏 |
トタンが敷いてあるため足場の確保が難しくて、どうしても正面からの撮影ができませんでした。ふと目をあげると、山型の二尊仏が祀られています。こちらは資料に言及されていませんが、少し後の時代に造られたものでしょう。とにかく、一度は訪問したかった場所なので、無事に撮影することができてよかったです。
参考文献
奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
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