戒勝寺本堂は近年改築され、すっかり近代的な建物となっていました。往時の面影はなく、本堂奥の寺内墓地に、かつてこの地が念仏道場であった頃の石造遺物が祀られています。
竹林を背にして建つ屋形 |
資料にて紹介される「南側屋形」に、室町末期と推測される石造板碑を拝見できました。
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阿弥陀如来坐像はどこだ?
山型(右)、船型(左)、名号板碑 |
右の「山型」が戒勝寺で最も古い形式とされる名号板碑です。しかし、いずれも紀年は不明。
船型五輪板碑 |
こちらは摩耗と損傷が激しくて、かすかに五輪下部が確認できる程度。道端に転がっているとただの石ですね。
寺内墓地の石仏群 |
寺内には小規模な墓地があり、最後列に古い時代の石仏が集められていました。写真右奥の地蔵尊像を埋め込んだ板碑よりも、手前にある坐像が気になりました。
船型阿弥陀座像(?) |
資料には像高100cm、仏身50cm、「豪快な作である」と紹介されています。丸みのある船型は薬師塚の石仏と類似しています。頭部に刻された梵字は、釈迦如来を意味する「バク」のように見えるのですが、いかがでしょうか。紀年もなく詳細は不明ながら、味わい深いほとけ様でした。
参考文献
奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
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