鶴林寺前の市道を横切ってまっすぐ東に下っていくと、小高い丘の上にある鬼取墓地の参道入り口が見えてきます。墓地内にはズラリと古い石造遺物が並んでいます。 左手の小道を進むと鬼取墓地の入口に着く。
スポンサーリンク
石造美術を勉強する上で墓地見学は避けて通れない。
どんなに明るい日中でも、一人で墓地をウロウロするのは気が引けます。誰もいないのに「ヒソヒソ」と話し声が聞こえたような気がしたり、木の陰に人の気配を感じたり。。。
お迎え地蔵(地蔵立像) そんなに首を長くして待たなくてもいいのに。
文献資料によると紀年は不明ながら優れた作であるとのこと。墓地入口では必ずお地蔵さんが出迎えて頂けます。迎え地蔵と六地蔵は墓地には欠かせないキャラクター。覚えておきましょう。
五輪塔板碑
ここ鬼取墓地には多数の五輪塔板碑や宝篋印塔板碑が残されています。上の写真で双五輪板碑(前列右端)と二尊仏五輪塔板碑(後列左)が分かるでしょうか。一部の板碑には紀年が刻されているようです。(残念ながら読み取れるほどの眼力が養われていませんでした)
宝篋印塔板碑(右)と三尊種子板碑(左)
文献資料によると宝篋印塔板碑には文禄五年の銘が刻されているようです。(未確認)、左の三尊板碑は、上に阿弥陀、向かって右に観音、左に勢至の各種子を薬研彫で深く刻むもので、形式が古く珍しいとのこと。
十三仏種子板碑
残念ながら、これにも紀年銘はありませんが、しっかりとした二条線の山型は古い形式です。
一石五輪塔
小さな五輪塔です。一石から切り出した五輪塔は、今のところここ以外で見たことがありません。小さいので亡失することが多いのだと推測しますが、いかがでしょう。
多数の遺物群
さて、これだけズラリと並んだ石造遺物の中から、文献資料に紹介されたモノを特定できるようになるには、墓地に足しげく通うしかありませんよ。慣れてくると、入口で帽子を取って「こんにちわ」とお辞儀をすると、誰かがポンと肩を叩いて「熱心やな」と声をかけてくれる(ような気がします)。ホンマかいな。
参考文献
生駒市 石造文化財「生駒谷」(昭和五十二年)
0 件のコメント :
コメントを投稿