旧久安寺村は古代高安城築城にかかわる人たちが定住した地域と考えられています。北垣内、南垣内、久保、そして滝ノ上から構成されていましたが、いつしか滝ノ上の地名は消えて北垣内に吸収されてしまったようです。
ストリートビュー - Googleマップ
こんな細い舗装路でもストリートビューは撮影しています。
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石仏にその地名を残す
久安寺は広い。畑の向こうに見える北垣内の集落
久安寺は標高400mを越える信貴山の北方にあり、最も高い位置にある久保(350m)から北垣内の低いところで250m前後です。滝ノ上から見る北垣内の集落は、まさに「空中庭園」を見るかのようです。
薬師堂前付近(滝ノ上)
旧村の各入口付近や十三峠街道と交わるあたりに貴重な石造遺物が散在していますが、見て回るのはとてもくたびれます。坂も多いし、道を間違えたら戻る気になりません。
薬師堂(現、北垣内薬師堂) 地元の人は「滝ノ上の薬師さん」と呼ぶ。
地図から地名が消えても、人の記憶や信仰などの言い伝えは消えることがない。文献資料によると「親しみやすい風貌のみ仏」と紹介されています。格子戸に雨戸がかかっていて中を見ることができません。通りがかりの人に声を掛けましたが、近所の人ではないという。仕方なく雨戸を持ち上げて、慎重に外して横に立てかけました。
自然石薬師座像 仏身120cm、紀年なし
感激のご対面です。大きな丸顔、腫れぼったい目に太い唇、浪越徳次郎先生を連想してしまいました。(ちょっと古いか。指圧の心は母心)
確かに親しみやすいお顔ですね。紀年がないのは残念ですが(室町期と推測されています)、生駒の三薬師に勝るとも劣らないお薬師さんだと思います。手早く撮影を済ませると、雨戸を元通りに戻して、次に向かいました。
参考文献
奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
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