長楽寺の石造遺物(生駒市南田原町)

 

清滝街道沿いにある法性山・長楽寺(融通念仏宗)は、南田原の旦那寺で隣に南田原公民館が併設されています。

 

ストリートビュー - Googleマップ
五輪塔を見て坂を登りつめると長楽寺

 

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長楽寺での必見は二基の五輪塔

 

長楽寺・西入口に通じる坂道の途中にある五輪塔は、グーグルマップでいつでも見ることができます。総高205㎝、正平十三年戌と紀年が刻された見事な造り、地輪から空輪までその特徴は典型的な形式で、「これぞ五輪塔」と言えるものです。坂を登りつめたところにもう一基の五輪塔が建っており、こちらの年号は延徳二年と刻されており、両塔の間には130年間の隔たりがあります。時代が異なることによる微妙な変化を感じることができれば、あなたはもう立派な五輪塔ファンです。

 

正平十三年(1358年・南朝年号)
延徳二年 (1490年)

 

長楽寺山門

 

山門でご挨拶して境内に入ると、そこにも貴重な石造遺物を数点見ることができます。今回は、その中から珍しいものをご紹介しましょう。

 

文政自然石嵌込石仏
紀年「文政九年戌天」(1826年)

 

自然石に小石仏を嵌め込んだ珍しい造りになっています。自然石に彫り込んだ磨崖仏はよく見かけますが、このような形式のものは初めて見ました。

 

裏側にも小石仏

 

こちらは嵌め込みではありません。石仏の右肩側の損傷が痛ましいです。文献資料には全部で何体の石仏が嵌め込まれているかまで言及されていませんが、形式から見ても後ろの石仏は、別物と考えていいのではないでしょうか。

 

  • 訪問日[2014.09.07]

  • 参考文献
    生駒市石造遺物調査報告書(生駒市教育委員会 平成8年)

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