三郷町勢野を縦断する県道194号線を隔てた東西に勢野の墓地があり、それぞれに興味深い石仏が残されていました。一帯はかつて惣持寺と呼ばれ、聖徳太子ゆかりの古代寺院があったことで知られています。(一針薬師が特に有名)
ストリートビュー - Googleマップ
県道を挟んで墓地が両側に建つ
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石仏ファン泣かせの阿弥陀さん
「大和の石仏(創元社、清水俊明著)」によると、墓地のゴミ捨て場を新設した折に、草に覆われていた石仏が取り出されたと云います。
道路を挟んだ向かい側から撮影 ゴミ捨て場の横に石仏が並ぶ
この様子はグーグルマップからも確認できますね。わざわざ遠景から撮影したのには理由があって、近接撮影もあまり意味がありません。
いちおうこれがその近年見つかった石仏(右) 昭和50年頃発見、鎌倉時代の作と推定されています。
遠くから見ても近くから見ても、千と千尋の神隠しに出てくるカオナシの姿を彫り込んであるとしか見えませんね。石仏周囲を覆っている金網には、恐らく手を突っ込んで広げたと思われる痕跡がありました。「よっしゃ」と思いましたが、外すことは不可能です。みなさん、ココからカメラを突っ込んでの撮影を試みてるのでしょうか。
やってみた。 意外に彫が深いことは理解できました。
何も写ってませんね。前出の書籍によると「蓮華座に立つ像高83cmの阿弥陀如来像を線で刻んだもの」とあります。拓本を取らないと拝見することは叶わないのでしょうか。
確かに埃置場の横 道路に面して立つ
金網は拓本取得を防御する役目なのでしょう。かつては一針薬師さんの脇に置かれていたという貴重な石仏です。もう少し保存の方法に工夫があってもいいと思います。一針薬師さんは、持聖院に安住の地を得ておられます。
東墓地にも興味深い石仏や石碑 ズラリと並ぶ七観音石像
県道194号は旧奈良街道でした。少し歩いて東墓地へ行ってみると入口にズラリと並ぶ観音さんがお出迎え。六地蔵は毎度のことですが、七観音はココが初めてでした。やはり古い墓地には何かしらの新しい発見があります。
参考文献
広報さんごう4月号 No.600 発行:三郷町役場・総務部 http://www.town.sango.nara.jp/
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