近鉄生駒線竜田川駅下車・旧椿井村西入口の石造遺物(生駒郡平群町椿井)

竜田川駅

初秋の平群谷ではヒガンバナが美しく咲き乱れます。近鉄竜田川駅は平群谷の中心にあって、東西どちらに歩いても秋の実りを感じることができるでしょう。

彼岸花
ヒガンバナ(白花もあります)


今回は駅前のさくら親水公園から竜田川を渡って、椿井の石造遺物を巡ることにいたしましょう。

ストリートビュー - Googleマップ


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椿井村西入口の石造遺物の前に



椿井墓地
椿井墓地船型名号碑(三尊種子)


ある意味有名な西入口の笠石仏を拝見して、椿井墓地へ立ち寄ってみました。古い墓地は石造遺品の宝庫ですが、資料で紹介されたモノを同定するのはかなり困難です。

椿井墓地
椿井墓地自然石梵字仏石


とりあえず、パシャパシャ撮影して資料と画面を何度も見比べては確定させます。梵字仏石には小さいながら、下部に「天正十一年」の銘を確認できました。資料によれば、他に「逆修重清 一月十五日」と刻まれているようです。

笠石仏如来像(平群町指定文化財)
笠石仏如来像(平群町指定文化財)


この場所はGoogleマップのストリートビューから確認できるので、探し当てるのに苦労はしませんでした。資料によると「三郷町勢野総持寺の一針薬師と同時期」と紹介されています。一針薬師さんも笠石仏ですが、それよりも勢野墓地や瘡神社の如来像と瓜二つのような気がします。

笠石仏如来像(平群町指定文化財)
笠石仏如来像(平群町指定文化財)


壺型掘り込み枠に線刻された仏身、のっぺら感は勢野墓地の如来像そのものです。お顔は信者が撫でまわすためか、特に摩滅が激しくなっています。

笠石仏如来像(平群町指定文化財)
笠石仏如来像(平群町指定文化財)


勢野の如来像と異なるのは、仏身の周囲に十五の種子が刻されている点ですね。造立年代は鎌倉時代中期頃と推測されています。痛々しく感じられる亀裂から下は、比較的に保存状態が良いようです。


  • 訪問日[2016.09.17]

  • 参考文献
    奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)

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