三昧尾の地名は「サンマイオ」と読み、「三昧」はサンスクリット語(梵語)のSamadhi(サマーディ)を音写したものです。ヒンドゥー教においては雑念を取り去り、物事に集中することを指します。日本では人が亡くなり土葬にする場所を「ザンマイ」と呼ぶとのこと。
三昧尾石造十三重塔(名号碑) |
「今日は一日ゴルフざんまいだったね」などと言うオヤジ会話における「三昧」は主に前者の意味で使われているものと思います。「三昧=墓地」という概念も漢字の読み方も忘れられている今日この頃です。
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再訪の目的は基礎部分の銘文
相輪から第十一重までは後補(永仁七年) |
「いこまかんなび」さんのサイトによると、基礎部分に風化を免れた銘文が読み取れると紹介されています。これが気になっていました。
基礎部銘文 |
早速、フラッシュライトを照射してみました。基礎石(東面)の向かって右側部分に銘文が刻まれているようですが、基礎部分は三分の二以上が土中に埋まっています。
基礎部銘文 |
右側に鷲山寺の「鷲」の文字が読み取れます。上部はハッキリしませんが下部の「鳥」部分は明瞭です。感激の一瞬ですね。
基礎部銘文 |
「奉造」の最初の一字、「奉」の字がなんとか読み取れました。しかし、肉眼で読み取れるのはここまで。残りは土中に埋まっています。
一層目の軸部の梵字(東面) |
ついでに金剛界四仏を表す梵字が陰刻されていますので、順番に見ていきましょう。最初は「ウン(阿閃如来)」が東面に刻されています。
一層目の軸部の梵字(北面) |
北面に刻された「アク(不空成就如来)」、鎌倉期の特長をよく表しています。
一層目の軸部の梵字(西面) |
西面には「キリーク」が刻まれています。生駒山系でもおなじみの阿弥陀如来を意味する梵字で、石仏巡りをするようになると嫌でも覚えますよ。
石造十三重塔由来石碑 |
残念ながら南面は供花台などが置かれているために、フラッシュライトを使っての撮影はできませんでした。基礎石の銘文は「重要美術品」と題されて自然石に刻まれた説明文に復刻されています。気になる方は、フラッシュライトをご持参の上、現地を訪問なさってください。
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参考文献
いこまかんなびの杜(http://www.geocities.jp/iko_kan2/)
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