高安山から立石越道の平群町側へ西進すると、久保西入口の辻に複数の祠と石造遺物が並べてあります。五本松という旧地名が残っており、通称の「石仏の辻」と呼ぶ方が分かりやすいですね。
新しくなった中央の地蔵屋形(石仏の辻) |
久しぶりに訪問してみると、中央の屋形が新しくなっていました。久安寺ではたくさん興味深い石造遺品を見学できるのです。2015年に久保西以外の石造遺品を多く取り上げました。
久保東の辻付近の石造遺物(平群町久安寺)
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久安寺南大墓への道は高安城倉庫址礎石群に通じる
船型地蔵立像 |
久保西の辻(石仏の辻)から南へ400m、谷を回り込んで進むと、崖を背にした船型光背のお地蔵さんが出迎えてくださいます。
船型地蔵立像(宝暦十四年) |
向かって右に「為三界萬霊六親法界」と刻み、左には「宝暦十四年△△天三月二十四日」と紀年銘が刻されていました。宝暦年間は江戸中期の1764年で、この年の六月(旧暦)には、改元され「明和」と変わりました。Wikipediaによると、一月頃に予定されていた改元が朝鮮通信使の訪問により延期されたのだとか。外交は今も昔もセンシティブ(ビミョー)な政治課題だったのですね。
船型地蔵立像 |
三月末ともなれば、少しは世の中落ち着いていたでしょうか。お地蔵さんの庶民的な表情に「ヤレヤレ感」が漂いますね。太い眉毛にとても親しみを覚えました。
ストリートビュー - Googleマップ
大墓を横目に見てヤブ漕ぎが待ち受ける旧道へと突入すると、突然前方の視界が開けて別世界のような明るい山道となりました。
カナヤ塚(高安城倉庫址) |
生駒山系だけなく二上山、明神山周辺で送電線直下の大規模な伐採が行われました。おかげで「高安城倉庫址」の礎石群が発見されたカナヤ塚をはっきりと見ることができます。石仏ファンだけでなく、歴史好きな方にもおススメできるハイキングルートですね。
参考文献
奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)
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