「関西石仏めぐり/創元社・清水俊明著」(以下、本書と言う)は平成9年(1997)に出版された石仏ファン必携のガイドブックです。出版から20年を経ても尚、石仏ビギナーにとってはバイブル的存在であることは間違いありません。しかし、時を経て掲載されている地図では分かり難いこともしばしばありますね。
高井寺 - Googleマップ
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屋外ギャラリーに並ぶ石造遺物
横一列に並べられた石造遺物 |
高井寺南側の塀沿いに石垣を設けて、石造遺物を一列に並べてあります。この様子はGoogleマップのストリートビューでもご覧いただけますが、撮影日が2009年と少々古くなっていますし、現地でじっくりと観賞したいモノ。特に屋外にあって、間近に見ることができるのはありがたいです。
藤原石棺仏「阿弥陀如来坐像」 |
本書には、「高さ1.7m、幅1m余り、厚さ30cmほどの凝灰岩に阿弥陀座像を彫った石仏がある」と紹介されています。
藤原石棺仏「阿弥陀如来坐像」 |
さらに、像高1m余り、定印を結び表情が穏やかで美しいとありますが、これは至近距離で観賞することで理解できますね。古墳の石材を使ったもので、藤原時代の造立とされることから、傍らの説明板には藤原石棺仏と書かれています。
十三仏板碑(慶安五年) |
柏原市内に二基存在する十三仏の一つがここに祀られています。「高井田村」の文字がクッキリと読み取れました。
青面金剛像(正面) |
本書では言及されていませんが、ギャラリーの一番左端に祀られている青面金剛像がとても興味深いです。この地にも庚申信仰が行われていた証拠です。
青面金剛像(側面) |
紀年が刻されており、享保十七年と読み取れることから、先の十三仏よりも後の時代で江戸中期の造立です。戦乱の傷も癒えて人々の心に余裕が生まれてきたのでしょうか。
青面金剛像(下部) |
庚申と言えば「見ざる(猿)、聞かざる(猿)、言わざる(猿)」と言うワケで三猿揃ってアタリマエだと思っていました。ところがこの像には二猿しか刻されていません。関東地方にお住いの+kotone himiyaさんによると、最初から二猿だったり、一猿だったりするケースもあるのだとか。なんでも思い込みはダメですね。
参考文献
関西石仏めぐり/創元社・清水俊明著
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