西庄の石仏(平群町福貴畑)

十三峠を越えて「まつのをさん(松尾寺)」への参詣道が東に向かって下っていきます。大きくS字カーブを描きながら拡幅され舗装された自動車道を歩ていくとやがて平群町福貴畑の「杵築神社」で、向かいに西庄自治会館がありました。


十三峠の石標「松尾寺」
十三峠の石標「松尾寺」


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西庄は「にしのしょう」と読む

西庄は旧字の地名で現在は平群町福貴畑、電信柱に書かれた「ニシノショウ」という表記から西庄(にしのしょう)という読み方が分かりました。現在では使われなくなった地名の読みを正確に知るには、地元の人でもない限りかなりムツカシイです。


杵築神社本殿
杵築神社 覆屋内の本殿(檜皮葺)



杵築神社は広く福貴畑の氏神として信仰されてきました。社殿内に観音堂があり、木造の聖観音像と深沙大将立像(いずれも指定文化財)を格子戸越しに見ることができました。


観音堂内
観音堂内



しかし、当地への訪問の目的は、神社石段脇にある小祠内に安置された石仏です。


十一面観音、六地蔵碑など
十一面観音、六地蔵碑など



祠の中に高さ92cm、幅64cm、永禄十一年(1568)の紀年が刻された石碑、及び小石仏が安置されています。


十一面観音、六地蔵
十一面観音、六地蔵



右側がやや欠損していびつになった山型状の自然石に十一面観音と六地蔵が薄肉彫りにされています。六地蔵としても古さを感じさせるモノで、珍しい形式の石造遺物ですね。


西光寺
無住の西光寺



西光寺さんとの間にある細道を上がっていくと、お寺の墓地が見えています。今は無住となった西光寺、石仏が墓地の入り口を教えてくれていたようです。


  • 訪問日[2016.05.02]


  • 参考文献 奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷(平成三年)

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