生駒の古道(生駒民俗会、平成26年発行)で紹介された奥(西)菜畑薬師堂を再訪してきました。ここはGoogleマップに道さえ記載されない場所にあって、地元の人以外で訪れる人は少ない。
Googleマップ
ストリートビューはここで終了、右手の森に薬師堂への参道があります。
ストリートビューはここで終了、右手の森に薬師堂への参道があります。
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子宝に恵まれるというお薬師さん
参道 |
一軒の民家の前を通り過ぎると小川に流れる木橋を渡って参道を登っていきます。意外に立派な参道で、よく整備されています。なぜ、こんな立派な道がGoogleマップだけでなく、地理院地図にも記載されないのでしょうか。全く理解に苦しみます。初めて訪問する方は、たどり着くまで難儀すると思います。
薬師堂 |
お堂の手前右手に立派な自然石の灯篭、左手には手水石、残念ながら水は張られていませんでした。燈籠の横には小さな祠に小さな石仏が祀られています。
手水 |
小石仏 |
お堂は施錠されているので撮影は困難を極めました。おまけにじっとしているとヤブ蚊が容赦なく襲ってきます。格子戸の隙間から右手を強引にねじ込み、左手でフラッシュライトを操作しての撮影です。
薬師如来坐像(正面から) |
総高108cmx91cmの薬師如来坐像は石堂薬師とも称され、堂内には数体の小石仏、木造仏も安置されていました。
薬師如来坐像(やや斜めから) |
峰の薬師(鬼取)、枯木薬師(北新町)とともに生駒三大薬師と崇められ、大正から昭和にかけて子宝に恵まれるという評判で大阪からも多くの参拝者が訪れたと云います。
薬師如来坐像(ライトは必需品です) |
お薬師さんには申し訳ないのですが、堂内がちょっと薄暗いのでライトアップさせていただきました。石仏の撮影には昼間でもフラッシュライトは必携です。頭光が二重に線彫りされた様子をご覧ください。風化は激しく紀年は定かではありませんが、鎌倉期の造立であると推測されています。
石がんの上部 |
どうしても至近距離での撮影となり全体像をご紹介できないのが残念ですが、厄病払を祈願して造立されたという薬師如来は、立派な石がんに座しておられます。覆い屋は比較的最近になって修復されたものと思われます。
薬師堂の扁額(碑文が読めません) |
薬師如来坐像には二カ所の折損部があり、別の資料によると天災によるものとだと云います。扁額から昭和九年にお堂が建てられる以前は野ざらしだったのかもしれません。
参考文献
生駒の古道-生駒市古道調査-(生駒民俗会、平成二十六年)
生駒市 石造文化財「生駒谷」(昭和五十二年)
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