中村の延命地蔵(生駒市高山町中村)

中村延命地蔵尊

2014年に刊行された「生駒の古道」によると、「嘉永元年(1848)の絵図に「大和国細見図」にも中継地として「中村」の名が記され(引用)」とあり、現在の県道72号線の南北に広がるのどかな田園風景を多くの旅人が行き交った様子に心打たれました。

中村延命地蔵尊
中村延命地蔵尊への道標

資料によると、かつては丘の麓にあったと云いますが、現在は県道72号線を横断して北西に進んだところで、道標の案内に従って階段を登ります。「大峰登山八十度」の立派な石碑を鑑賞するためには、県道を行ったり来たり。足にマメができました。

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西向きに整列する石造遺物


中村延命地蔵尊
広場の奥に並ぶ石仏群

階段の登り口には立派な石碑もあって、麓から丘の上に移築された際の記念碑と思われます。西向きに整列するため、夕陽が強くなる時間帯は撮影に向いていません。できるだけ早い時間が吉でしょう。
中村延命地蔵尊
可愛いい地蔵さん

称名碑を含めて九体あるうちの石仏から、二体のみが資料で紹介されています。その内の一体は中央のお地蔵さんに向かって右の少し背の低い地蔵石仏でした。「可愛いい」と表現したのは資料の編集者で、当方ではありませんよ。今風に言うなら「#kawaii」(instagram)ですかね。編集者の先見性に脱帽いたしました。
中村延命地蔵尊
船型地蔵立像

もう一体は中央に祀られており、資料によると像高92cm幅44cm、台座の反花から見て桃山時代から江戸初期の造立と推測されています。涎かけをそっと失礼させていただくと、その流麗なお姿を拝見することができました。どうぞ、ゆっくりご鑑賞ください。

  • 訪問日[2017.09.02]

  • 参考文献
    生駒市 石造文化財「生駒谷」(昭和五十二年)
    生駒の古道-生駒市古道調査-(生駒民俗会、平成二十六年)

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