近鉄石切駅の北西口を出て、神武天皇ゆかりの古道「日下直越道」に通じる日下八丁目の坂道を登り切ったところに「大龍禅寺不動院」、「神変大菩薩」、「日下不動尊」と刻された三本の石柱が建つ境内地があります。
玉七大神の鳥居 |
中に入ると「玉七大神」の鳥居が小丘の麓に立ち、どうやら頂上部まで小道が通じている様子。上部には古墳、もしくは西に下ったところにある大龍禅寺の旧墓地があるのかもしれません。
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「河内名所図会」で描かれた古刹は健在
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大龍禅寺は江戸時代のガイドブック「河内名所図会」において、「禅宗、黄檗宗仏殿釈迦仏」と紹介され、禅悦堂・選仏場・開山堂・鐘楼などが記されています。
鳥居横の地蔵屋形 |
日下直越道の登路にあたるこの場所はよく知られていても、西へ下ってまでも本寺へお参りするハイカーは少ないでしょう。今から20年前に刊行された「関西山越えの古道(上)」(著者:中庄谷直氏)においても、当地だけを見て「...今はさびれて面影はうすい」と記されています。
地蔵屋形の最上段 |
地蔵屋形には比較的新しいお地蔵さんが並んでいます。水子供養で寄進されたものなのでしょう。最上段には方形石に浮き彫りされた石仏が並び、こちらは江戸期のものと思われます。上部の突起から石棺の一部だったのでしょう。
自然石の二尊仏(坐像) |
しかし、最初から気になっていたのが最前列に祀られた自然石の二尊仏でした。早速に赤い涎かけ(最近新調されたらしい)を解いて、全体を拝見させていただきました。
自然石の二尊仏 |
意外にも立像ではなく坐像でした。かなりの風化具合から周囲の石仏よりひと際目立つ存在です。お顔の大きさと肩幅が微妙にアンバランスで親しみを感じました。由来などの詳細が全く不明なのが残念です。もしかしたら、磨崖仏の一部だったのでしょうか。
参考文献
関西山越の古道(上)(中庄谷直著、ナカニシヤ出版、平成七年)
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