先日訪問した北田原の生玉寺で見た九重層塔が印象に残りました。生駒山系で九重層塔と言えば、大東市指定文化財の石造九重層塔が有名です。
永仁二年 |
北河内最古と言われる金石文を肉眼で読み取るのは難しいですが、永仁二年の紀年銘は比較的明瞭に確認できます。永仁二年は西暦で1294年、日本では鎌倉時代に相当します。
石造九重層塔 - Googleマップ
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大東市指定文化財(昭和58年7月指定)
大東市指定文化財 |
資料によると基礎部の金石文は全部で七十四文字あり、沙弥入蓮(シャミニュウレン)と秦氏(大陸系渡来人)が、主君と両親の追善供養のために造立した旨が刻まれています。
相輪部は欠損 |
沙弥(シャミ)とは出家しているが僧侶にならず、家族と一緒に(在家で)生活している方を意味しています。貴重な石造遺物にも関わらず、間近で観賞できるのは嬉しいですね。層の反り具合など、かつて見た「塔の森・六角層塔」を想起させました。
鎌倉時代の特徴を示す |
説明板によると昭和九年の台風被害により失われた最上層の屋根石が、地元の中学生二人により五十年の月日を経て発見されたとい云います。
石造九重層塔 |
相輪はかなり以前より欠損していて、さらに八層に組み直された際に方角もバラバラ、発見された屋根石も傍らに置かれた状態だったのが、平成十七年に修復、再び九層に復元され今日に至っています。
参考文献
歴史散歩道大東(大東市教育委員会)
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